2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

(前回の続きから) バギーについて話し合い、ドラえもんが今後のバギーの行動に責任を持つことで暴走事件は一応の決着を見た。ドラえもんはスネ夫に言わなかったことがある。22世紀のロボットAIと、人間との関係についてだ。 たとえ話としてスネ夫がド…

(前回の続きから) 気安くロボットのことを聞いてくれるなあ、とドラえもんは思った。未来のことは軽々しく話せないんだと言えばよいのだが、スネ夫は必ず言うだろう。 「え、ドラえもんが言うの?」 ――と。ロボットの行動理念は人を幸せにすることだが、人…

(前回の続きから) ジャイアンを揶揄するような発言をしたスネ夫だが、口元は笑っていなかった。 「ドラえもんがバギーを点検していた時、僕らでバギーのことを相談したんだ。しずちゃんはバギーを庇ったけど、ジャイアンはどう思っているか聞いたんだよ。…

(前回の続きから) スネ夫の父親は会社を経営する社長であり、その裕福さは町内でも広く知られている。スネ夫自身も親から買い与えられたおもちゃを惜しげもなく友達に披露し、コレクターの素養があるスネ夫の自慢話をのび太たちはしょっちゅう聞かされてい…

(前回の続きから) テキオー灯の光を浴びて過酷な環境に人体が適応できても、そのままでは長期の生命活動を維持することはできない。死なない身体に変身するのではなく、肉体を地上と同じ生活ができるように変化させることがテキオー灯の効果だからだ。私た…

(前回の続きから) ドラえもんがバギーのハンドルを握り、一行はハワイ沖のキャンプ地へと帰路についた。早朝から思いがけない事件が立て続けに起こり、のび太たちの心身の疲労をドラえもんは心配するが、ジャイアンもしずかも旅の続行を希望する。ドラえも…

(前回の続きから) ジャイアンとスネ夫が無事だったとはいえ、謎の破壊跡が見られる現場に長居は無用だった。ドラえもんがバギー本体への最低限のチェックを素早く済ませる。外観からタイヤ、エンジン、ミッション、足回り系統の確認。問題はなさそうだ。ド…

(前回の続きから) バギーが自棄を起こし人間に危害を加えようとしてドラえもんに阻止され、即席のバギー糾弾裁判が始まりかけた際、一番冷静だった人物はのび太だった。事件の被害者でもなければ加害者でもなく、日頃からスネ夫とジャイアンにいじめと暴力…

(前回の続きから) しずかはのび太と同じ学区に住む同級生の女の子だ。本名は源静香。学校の成績は優秀で、のび太が深海の冒険にやって来れたのも彼女が付きっ切りでのび太の宿題の面倒を見てくれたことが大きい。宿題を監督したジャイアンと、甘言でやる気…

(前回の続きから) どれほどの時間が過ぎたのだろう。 ジャイアンとスネ夫を前にして、しずかがぼそりと呟いた。 「スネ夫さん、たけしさん……」 返事は返らない。 「かわいそうに……」 「さぞ苦しかったろうね」 ドラえもんとのび太が二人に話しかける。先刻…