(前回の続きから)
しずかの母親から旅の了承を得たのび太とドラえもんであったが、のび太自身は親から旅行の許可をもらえずにいた。ドラえもんが同行することを伝えても、夏休みの宿題を終えないとだめだと言うのだ。のび太は引き下がり、宿題を終えるまで旅の出発は延期することをしずかに伝える。しずか、ジャイアン、スネ夫の協力もあり、3日めの夕方にのび太は宿題を終える。ドラえもんは静かに感動するのであった。
一方、のび太が宿題に向かっている間に事件が起きていた。宝を積んだ沈没船が忽然と姿を消したのだ。ジャイアンとスネ夫がのび太に協力したのには下心があった。消えた沈没船を誰よりも早く発見すれば、財宝の分け前が自分たちのものになる。ドラえもんに取り入ればそのチャンスが巡ってくることに期待したのだ。ドラえもんもその魂胆は見抜いていたが、のび太が早々に宿題から逃げて精神的に疲れていたこともあり、下心込みでジャイアンたちの助けに乗った。ただ、しずかの助けがなければ宿題を終えることはできなかっただろう。
出発の朝、野比家の朝食中にラジオからブラジル沖に幽霊船が出たとのニュースが流れる。のび太の母、玉子は
「海ってあぶないのね……。」
とのび太たちを心配するが、大西洋と太平洋は違う海だから心配いらないとのび太たちはまくしたて、スネ夫、ジャイアン、しずかが野比家に到着するや否や、テキオー灯を浴びせどこでもドアで一目散に旅立つのであった。